探偵事務所 利用記(3)

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探偵事務所 利用記(3)

恐怖の只中にいた私でしたが、Fさんに相談していくうちに、暗闇の中に一筋の光を見たように思いました。
警察も何も当てにできない、戦えるのは自分自身しかいない。
そんな私にとって、Fさんはとても強い味方のように感じられたのです。
これ以上のFさんとのお話は割愛させて頂きますが、私は確信しました。
これならば安心して任せられると。
私はA社に依頼することを決意しました。

A社は私の不安をわかってくださって、迅速に調査を開始して下さり、本当にすぐに、Fさんが仰っていた相手の情報について報告して下さいました。
そして私は知ることになるのです。
相手から与えられていた情報が、真っ赤な嘘であったことを。

報告書に記載されている情報は見知らぬものばかりで、過去に相手から言われていた話は何もかもが嘘で塗り固められていました。
私は一体誰と付き合っていたのでしょう。
背筋の凍るような思いでした。

「大丈夫ですよ。相手のことを知っていれば、対応することは出来ます」
青ざめていた私に、Fさんがそう仰ってくださいました。
確かにそのとおりです。
友人の言葉を思い返しました。

「相手のことを知らなければ戦えない」

相手の情報を鵜呑みにしていた私にとって、この調査結果は、とてつもない恐怖を与えられるものでしたが、同時に身も心もボロボロになっていた私に微かに勇気を与えてくれるものでもありました。

「ストーカー被害は相手が言い逃れできない証拠が必要です」
Fさんが仰いました。
そう、戦うためには証拠が必要です。
Fさんは私が初めて相談したときのことを詳細に覚えていて下さって、どういうものが証拠になるのかを詳しく教えて下さいました。
ストーカー被害は様々ですから、その証拠がどういったものなのかという話は割愛させて頂きます。
実際に相談に乗って頂いたら、すぐに教えて貰えます。
そしてFさんからその話を聞いた私は、相手から送りつけられたりした手紙やらなにやらを、それ自体にすら恐怖を感じて、破り捨ててしまったことを後悔しました。

「証拠はこれから集めればいいんです。○さんはとても詳しくお話をして下さったので私達も対処がしやすいです」

悔やんでいる私に、Fさんがそんなことを仰いました。
捨ててしまった証拠はどうにもならないけれども、これから証拠を集めることが出来ると。

「私達はプロです。相手に知られずに証拠を掴むことが出来ます」

Fさんは私を安心させるように力強くそう言って下さり、実際、私は相手が明らかにストーカーをしていることがわかる資料を手にすることが出来ました。
これがあれば、きっと何とかなる。

私は恐怖に怯える自分の心を叱咤して、それらの資料を持って、相手の家に乗り込もうとしましたが、Fさんが相手に会うのならば人目のあるところがいいとアドバイスをしてくれました。
そこで、相手の家の近くの大きめの喫茶店を選んで、そこに相手を呼び出しました。
あえて相手の家の近くにしたのは、私が相手の本当の家を知っているのだという、心理的な揺さぶりをかけるためでした。
けれども相手は私の呼び出しに喜んで応じました。
よりを戻す為に来たのだと勘違いしている相手に対して、私はストーカーについて出来る限り淡々と話しました。
感情的になってはいけない。
これもFさんからのアドバイスです。
恐怖を押し殺して相手と話しました。
相手は最初否認していましたが、A社が集めてくれた証拠の写真などを見せると、やがて自分がやったことを認めました。

「ストーカーを今すぐ止めなければ、これを警察に提出する」

確固とした証拠を見せられた相手はそれを聞いて青ざめて、二度と私に付き纏わないと誓いました。
私は戦いに勝ったのです。
体がくず折れそうな安堵に襲ってきました。
これでもう、家を出ることすら怯えなければならない恐怖から開放されると。

私は始終強気で相手に対することが出来ました。
それには理由がありました。
不安の消えない私の様子に気がついてくれたA社の人達が、話し合いの席に同席することも出来ると言ってくれて、私はそれをお願いしたのです。
だから私達の座る席のすぐ傍には、客の振りをしたA社の人達がいて、私達の様子を見守っていてくれたのです。
もしも相手が逆上するようなことがあっても、すぐに気付いて助けてくれる。
こんなに心強いことはありません。
これは警察にも友人にも頼めないことです。

A社は私の不安にかられた、おそらく支離滅裂だったところもあるだろうメールや相談を穏やかに聞いて下さり、問題点とその解決方法を提示してくれました。
警察では話をしても碌に取り合って貰えず、苦しんでいた私にとって、本当にA社の存在は救いとなりました。

現在私はA社の勧めもあって、ストーカー被害に遭っていた場所から、随分と離れたところに住んでいます。
引越しを決意させてくれたのも、Fさんが親身になって相談に乗ってくださった結果だと思っています。

私の中であの恐怖の日々は完全には消えないままですが、それでも今は平穏な日々を送っています。
一人で悩み続けていたらどうなっていたことか…
今でもそのことを考えるとFさんへの感謝の気持ちでいっぱいになります。
このことがきっかけで、自分では誰にも相談できないと思っている悩みに「探偵」という相談相手がいるということを広く紹介しようと思うようになりました。
私の体験談を最後まで読んでくださった皆さんに何か悩みやトラブルがあるなら、このサイトが少しでも参考や手助けになることを祈っています。

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